引き揃えとは、複数の糸を撚り合わせず、並べた状態で一緒に使うことです。
2本以上の糸を同時に扱う点では双糸や撚糸と似ていますが、引き揃えでは基本的に糸同士を撚り合わせません。
そのため、糸のまとまり方、見え方、風合い、扱いやすさは、撚糸とは異なります。
(一言解説)引き揃えとは、複数の糸を撚らずにそろえて、1本の糸のように使うことです。「撚り合わせる」のではなく、「並べて一緒に使う」と考えると分かりやすくなります。
特徴
引き揃えには、次のような特徴があります。
・複数の糸を撚らずに使う
・色や素材の組み合わせを作りやすい
・糸同士が完全には一体化しない
・撚糸よりもふくらみや表情が出やすい場合がある
・条件によっては糸割れや引っ掛かりが起こりやすい
・編物や意匠性のある糸使いで見られることがある
引き揃えは、糸を強くまとめるというより、複数の糸の特徴を並べて活かす使い方です。
ITomap的理解|初心者が誤解しやすいポイント
初心者が誤解しやすいのは、
引き揃え=撚糸と同じもの
と考えてしまう点です。
どちらも複数の糸を使いますが、撚糸は糸同士を撚り合わせて1本の糸としてまとまりを持たせるのに対して、引き揃えは糸を撚らずに並べて使います。
つまり引き揃えは、
複数の糸を「まとめて1本にする」のではなく、
複数の糸を「並べたまま一緒に使う」方法
と理解すると分かりやすくなります。
現場での使われ方
現場では、色や素材、太さの違う糸を組み合わせたいときに、引き揃えが使われることがあります。
たとえば、
・色の見え方を変えたいとき
・糸にふくらみを持たせたいとき
・複数素材の質感を組み合わせたいとき
・ニットで表情のある編地を作りたいとき
・意匠性のある糸使いをしたいとき
などに使われます。
一方で、撚糸ほど糸同士が固定されていないため、工程中に糸がばらけたり、片方だけが引かれたりすることがあります。
そのため、実際の現場では、糸の張力や送り方、機械との相性も重要になります。
補足
引き揃えは「簡易的な撚糸」ではありません。
撚らないことで、糸それぞれの色、太さ、質感を残しやすくなります。
その反面、糸同士が一体化しにくいため、扱い方によっては糸割れ、引っ掛かり、張力差などが出やすくなります。
つまり引き揃えは、手軽に糸を増やす方法ではなく、糸の個性を並べて使う設計方法のひとつです。
関連用語・記事
→ (記事)単糸・双糸・撚糸とは何か
→ (用語)
・単糸
・双糸
・撚糸
まとめ
引き揃えとは、複数の糸を撚り合わせず、並べた状態で一緒に使うことです。
撚糸のように糸同士を強く一体化させるのではなく、それぞれの糸の色、素材、太さ、質感を残しながら使う点に特徴があります。
引き揃えは「撚糸と同じもの」ではなく、複数の糸を並べたまま活かすための糸使いとして理解すると分かりやすくなります。


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