経糸(たていと)

用語辞典

経糸(たていと)とは、織物を作るときに、織機へ縦方向に張られる糸のことです。

織物は、経糸と緯糸を交差させることで作られます。

その中で経糸は、織機にあらかじめ張られ、緯糸を通すための土台になる糸です。

織物の長さ方向や、布の骨格を考えるうえで基本になる用語です。

(一言解説)経糸とは、織物の縦方向に並び、織機に張られている糸のことです。緯糸が横から通されるのに対して、経糸は布の長さ方向を支える糸と考えると分かりやすくなります。

特徴

経糸には、次のような特徴があります。

・織物の縦方向に並ぶ

・織機に張られた状態で使われる

・緯糸を通すための土台になる

・織物の長さ方向を作る

・織るときに張力がかかりやすい

・糸切れや毛羽立ちが織布に影響しやすい

・整経や糊付けなど、織る前の準備工程と関係が深い

経糸は、ただ縦にある糸ではなく、織物を織るために張力を受けながら働く糸です。

ITomap的理解│初心者が誤解しやすいポイント

初心者が誤解しやすいのは、

経糸=完成した布を見たときの縦糸

とだけ考えてしまう点です。

完成した布の中では、たしかに経糸は縦方向の糸として見えます。

しかし現場では、経糸は織る前から準備され、織機に張られ、開口・緯入れ・筬打ちを受けながら布を作るための糸です。

つまり経糸は、

完成した布の中にある縦糸ではなく、

織る前から織機に張られて布の骨格になる糸

として理解すると分かりやすくなります。

現場での使われ方

現場では、経糸は織物の準備や織布条件を考えるときに重要な言葉です。

たとえば、

・経糸の本数

・経糸の密度

・経糸の張力

・整経の状態

・糊付けの有無

・経糸切れ

・経筋や毛羽の出方

などが確認されます。

経糸は織機に張られた状態で長時間動くため、糸の強さ、毛羽、撚り、糊付け、張力のばらつきが織りやすさや生地の品質に影響します。

そのため現場では、経糸を「布の縦方向の糸」としてだけでなく、織布中に負荷を受ける重要な糸として見ます。

補足

経糸は「縦に見える糸」というだけではありません。

織物を作る前には、必要な本数と長さの経糸をそろえる整経という工程があります。

また、織るときに経糸へ負荷がかかるため、糸の種類や織物の設計によっては糊付けを行うこともあります。

つまり経糸は、完成した布だけでなく、織る前の準備工程から理解することが大切です。

関連用語・記事

・緯糸

・織物

・布帛

・整経

・糊付け

・織機

・筬

・開口

・緯入れ

・筬打ち

・経糸密度

・経糸切れ

・平織り

・綾織り

・朱子織り

まとめ

経糸とは、織物を作るときに織機へ縦方向に張られる糸のことです。

緯糸を通すための土台となり、織物の長さ方向や骨格を作ります。

経糸は完成した布の中にある縦方向の糸であると同時に、織る前から準備され、織布中に張力や摩擦を受ける重要な糸です。

織物を理解するうえでは、経糸を「布の縦糸」だけでなく、「織機に張られて布を成立させる糸」として見ることが大切です。

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