カレンダー加工とは、生地をロールの間に通し、圧力や熱によって表面をなめらかにしたり、光沢・厚み・風合いを調整したりする整理加工です。
ここでいうカレンダーは、日付を見る「カレンダー」ではありません。
繊維加工では、カレンダー機と呼ばれるロール設備を使って、生地に圧力をかけながら表面を整える加工を指します。
生地をローラーで押すことで、
・表面をなめらかにする
・光沢を出す
・厚みを抑える
・平滑感を出す
・張りやコシを調整する
・見た目を整える
といった効果が出る場合があります。
カレンダー加工は、染色後や整理加工の中で、生地の表面感や見え方を整えるために行われることがあります。
(一言解説)カレンダー加工とは、生地をロールの間に通し、圧力や熱で表面をなめらかにしたり、光沢や風合いを整えたりする加工です。簡単に言えば、生地をローラーで押して、表面の見え方や手触りを整える整理加工です。
特徴
カレンダー加工の特徴は、ロールによる圧力や熱で、生地の表面状態を変えることです。
主な特徴は以下の通りです。
・ロールの間に生地を通す
・圧力によって表面を平らに近づける
・熱を使う場合がある
・光沢を出す場合がある
・生地を薄く、締まったように見せる場合がある
・表面をなめらかに見せる場合がある
・張りやコシに影響する場合がある
・風合いや見た目を整える整理加工として使われる
・加工条件によって仕上がりが変わる
カレンダー加工は、単に生地を押しつぶす加工ではありません。
どのくらいの圧力をかけるか、熱を使うか、どのロールを使うかによって、光沢、厚み、手触り、表面感が変わります。
カレンダー加工で何が変わるのか
カレンダー加工では、生地の表面感が変わります。
特に関係しやすいのは、光沢、なめらかさ、厚み、張り、コシです。
たとえば、カレンダー加工によって次のような変化が出る場合があります。
・表面がなめらかに見える
・光沢が出る
・毛羽が押さえられる
・生地が薄く見える
・表面が締まって見える
・手触りが変わる
・張りやコシが出る
・やや硬く感じる場合がある
・生地の表情がきれいに見える
日常のイメージで言えば、アイロンをかけた布が少し平らになり、表面が整って見える感覚に近い部分があります。
ただし、カレンダー加工は家庭用アイロンとは違い、反物をロールの間に通して、圧力や熱を管理しながら連続的に行う工業的な加工です。
ITomap的理解│初心者が誤解しやすいポイント
初心者が誤解しやすいのは、カレンダー加工を「日付のカレンダーに関係する加工」と思ってしまう点です。
繊維加工でいうカレンダー加工は、日付や予定表とは関係ありません。
ロールで生地を押しながら、表面感を整える加工です。
もうひとつ誤解しやすいのは、「光沢を出す加工」とだけ覚えてしまうことです。
たしかにカレンダー加工では、光沢を出す場合があります。
しかし、それだけではありません。
生地の表面をなめらかにしたり、厚みを抑えたり、張りやコシを出したり、見た目を整えたりする目的でも関係します。
つまり、
・カレンダー加工:ロールで圧力や熱をかけて表面を整える加工
・光沢加工:光沢を出すことを目的にした加工
・アイロン:家庭や縫製でシワや形を整える作業
・プレス:圧力をかけて形や表面を整える作業
として分けて考えるとわかりやすくなります。
ITomap的には、カレンダー加工は「生地を光らせる加工」ではなく、「ロールの圧力や熱で、生地表面のなめらかさ、光沢、厚み、風合いを調整する整理加工」として理解するとわかりやすいです。
整理加工との関係
カレンダー加工は、整理加工の一種として扱われることがあります。
整理加工とは、染色後や生機の生地に対して、乾燥、幅出し、寸法調整、風合い調整、機能加工などを行い、製品として使いやすい状態に仕上げる工程です。
その中でカレンダー加工は、主に生地の表面感や見え方を整える加工として関係します。
整理すると、次のようになります。
・整理加工:生地を用途に合わせて仕上げる加工全体
・カレンダー加工:ロールで圧力や熱をかけ、表面を整える加工
・乾燥:水分を飛ばして次工程へ進める状態にする工程
・幅出し:生地幅を規格や用途に合わせて整える加工
・柔軟加工:手触りや風合いをやわらかく整える加工
・毛焼き:余分な毛羽を焼いて表面を整える加工
カレンダー加工は、表面感を整えるという点で、毛焼きや剪毛、起毛などの表面加工とも関係します。
ただし、カレンダー加工は毛を立てる加工ではなく、ロールで押して表面を整える加工です。
どんな生地に使われるのか
カレンダー加工は、表面をなめらかに見せたい生地や、光沢を出したい生地、厚みや張りを調整したい生地に使われることがあります。
たとえば、次のような用途で関係する場合があります。
・シャツ地
・裏地
・薄地織物
・合成繊維の生地
・綿織物
・インテリア生地
・袋物用の生地
・表面をきれいに見せたい生地
・光沢感を出したい生地
・平滑感を出したい生地
ただし、すべての生地に向いているわけではありません。
起毛品やパイル品など、表面の毛羽やふくらみを活かしたい生地では、ロールで押すことで毛羽が寝たり、ふくらみが減ったりする場合があります。
そのため、カレンダー加工は「表面をきれいにする加工」として便利な一方で、素材や用途に合わせた判断が必要です。
起毛・毛焼き・剪毛(せんもう)との違い
カレンダー加工は、生地表面を整える加工のひとつです。
ただし、起毛、毛焼き、剪毛とは役割が異なります。
違いを整理すると、次のようになります。
・カレンダー加工:ロールで圧力や熱をかけ、表面をなめらかにしたり光沢を出したりする
・起毛:生地表面の毛羽を立てて、ふくらみやあたたかみを出す
・剪毛:毛羽の長さをそろえ、表面を整える
・毛焼き:余分な毛羽を焼いて、表面をすっきりさせる
どれも表面感に関係しますが、やっていることは違います。
カレンダー加工は、毛を立てるというより、ロールで押して整える加工です。
起毛は毛を立てる加工です。
剪毛は毛を刈ってそろえる加工です。
毛焼きは余分な毛羽を焼いて処理する加工です。
初心者は「表面を整える加工」とまとめて覚えがちですが、どのように表面を変えているのかを見ると違いがわかりやすくなります。
現場での使われ方
現場では、カレンダー加工は生地の表面感や光沢、張りを調整する加工として使われます。
たとえば、
・カレンダーをかけます
・カレンダー加工します
・カレンダーで光沢を出します
・カレンダーで表面を整えます
・少しカレンダーを効かせます
・カレンダーが強すぎます
・光りすぎています
・表面がつぶれています
・厚みが落ちています
・毛羽が寝ています
・張りが出すぎています
・この生地はカレンダー向きではありません
といった形で使われることがあります。
現場では「カレンダー加工」と正式に言う場合もあれば、「カレンダーを通す」「カレンダーをかける」のように言う場合もあります。
ただし、工場や設備によって使い方や呼び方が異なる場合があります。
大切なのは、カレンダー加工が「ロールで押して生地表面を整える加工」だと理解することです。
補足
カレンダー加工は、加工条件によって仕上がりが変わります。
特に影響しやすいのは、ロールの圧力、温度、速度、生地の水分状態、素材、組織、厚みです。
たとえば、圧力や熱が強すぎると、光沢が出すぎたり、生地が薄くなりすぎたり、表面がつぶれたように見えたりする場合があります。
一方で、弱すぎると、狙った平滑感や光沢が出ない場合があります。
また、加工後の効果は、洗濯や摩擦、使用条件によって変化する場合があります。
そのため、カレンダー加工を見るときは、
・どの程度の光沢が必要か
・どのくらい表面をなめらかにしたいか
・厚みを残したいか
・張りやコシを出したいか
・毛羽やふくらみを残したいか
・洗濯後も効果を残したいか
・最終用途に合っているか
を確認する必要があります。
カレンダー加工は、見た目を整える力がある一方で、生地の持ち味を変えてしまうこともある加工です。
ITomap的には、「きれいにする加工」とだけ考えず、「何を残して、何を押さえるのか」を見ることが大切です。
関連用語・記事
記事
・染色・整理加工とは何か|なぜ色を付けるだけでは終わらないのかを構造から理解する
・整理加工とは何か|なぜ生地は染めたあとに仕上げが必要なのかを構造から理解する
用語
・整理加工
・乾燥
・幅出し
・テンター
・柔軟加工
・毛焼き
・剪毛
・風合い
・プレス
・エンボス加工
・チンツ加工
・生機
・染色
まとめ
カレンダー加工とは、生地をロールの間に通し、圧力や熱によって表面をなめらかにしたり、光沢・厚み・風合いを調整したりする整理加工です。
ここでいうカレンダーは、日付を見るカレンダーではありません。
繊維加工では、カレンダー機と呼ばれるロール設備を使い、生地表面を整える加工を指します。
カレンダー加工によって、表面がなめらかに見えたり、光沢が出たり、厚みが抑えられたり、張りやコシが出たりする場合があります。
一方で、強くかけすぎると、光りすぎる、厚みが落ちる、毛羽が寝る、表面がつぶれるといったこともあります。
そのため、カレンダー加工は「表面をきれいにする加工」とだけ見るのではなく、生地の用途に合わせて、光沢、厚み、風合い、毛羽、表面感をどう調整するかを見る加工です。
ITomap的には、カレンダー加工は「生地を光らせる加工」ではなく、「ロールの圧力や熱で、生地表面のなめらかさ、光沢、厚み、風合いを調整する整理加工」と理解すると、他の表面加工との違いも見えやすくなります。

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