縮率(しゅくりつ)

用語辞典

縮率(しゅくりつ)とは、生地が処理前後でどれくらい縮むかを示す割合です。

繊維業界では、洗濯、乾燥、染色加工、整理加工、熱処理、テンター加工などの前後で、生地の寸法がどれくらい変化したかを見るときに使われます。

特に染色加工場や整理加工の現場では、

・この生地は縮率が大きい  

・タテ縮率を見る  

・ヨコ縮率を見る  

・テンターで縮率を安定させる  

・試験室で縮率を確認する  

・加工後の縮率が合わない  

といった形で使われることがあります。

ただし、縮率はひとつの工程だけで使われる言葉ではありません。

テンター、ジッガー、試験室、染色加工、整理加工、生機、織物設計、縫製など、複数の場面で関係します。

そのため、縮率という言葉を聞いたときは、

・どの工程の縮率なのか  

・何の処理前後で比べているのか  

・タテ方向なのか、ヨコ方向なのか  

・生機の話なのか、仕上げ後の話なのか  

・洗濯後や使用後の寸法変化の話なのか  

を確認することが大切です。

正式な試験や品質確認では、「縮率」よりも「寸法変化率」という表現が使われることがあります。

(一言解説)縮率とは、生地が処理前後でどれくらい縮んだかを割合で表したものです。一言で言えば、生地がどれくらい寸法変化するかを見る数字です。ただし現場では、テンター後の縮み、洗濯後の縮み、染色加工後の縮み、生機から仕上げまでの変化など、工程によって意味が変わることがあります。

特徴

縮率の特徴は、生地の寸法変化を数字で確認できることです。

主な特徴は次の通りです。

・生地がどれくらい縮むかを見る  

・タテ方向とヨコ方向で別々に見ることが多い  

・織物では経方向、緯方向の変化として見ることがある  

・編物ではコース方向、ウェール方向の変化として見ることがある  

・洗濯、乾燥、染色、熱処理、整理加工などで変わる  

・テンターやセット条件によって変わる場合がある  

・生機から仕上げまでの変化にも関係する  

・縫製や製品寸法にも影響する  

・正式な試験では寸法変化率として扱われることがある  

縮率は、単に「縮んだかどうか」だけを見る数字ではありません。

同じ生地でも、

・水に通した場合  

・染色した場合  

・乾燥した場合  

・テンターで幅出しした場合  

・洗濯した場合  

・熱をかけた場合  

・縫製後に洗った場合  

で、縮み方が変わることがあります。

そのため、縮率は必ず「何をした後の縮率なのか」とセットで理解する必要があります。

縮率と寸法変化率の違い

現場では「縮率」という言葉がよく使われますが、試験や品質管理では「寸法変化率」という表現が使われることがあります。

縮率は、日常的には「どれくらい縮むか」を指す言葉として使われます。

一方、寸法変化率は、処理前後で寸法がどれくらい変化したかを割合で示す、より試験・品質管理寄りの表現です。

寸法変化率では、縮むだけでなく、伸びる場合も含めて扱うことがあります。

つまり、

・縮率:現場で使われやすい言い方  

・寸法変化率:試験や品質管理で使われやすい言い方  

・縮む場合:マイナス方向の寸法変化として扱われることがある  

・伸びる場合:プラス方向の寸法変化として扱われることがある  

と考えると分かりやすいです。

初心者がつまずきやすいのは、「縮率」という名前なのに、正式な試験では伸びも含めて寸法変化として見る場合があることです。

そのため、縮率を読むときは、数値だけでなく、

・試験方法  

・処理条件  

・タテ方向かヨコ方向か  

・縮みなのか伸びなのか  

・どの工程後の数値なのか  

を確認する必要があります。

工程ごとの縮率の意味

縮率は、どの工程で使われるかによって意味が変わります。

ここが、初心者にとって一番分かりにくい部分です。

同じ「縮率」という言葉でも、テンターの作業者が言う場合、試験室で言う場合、生機の設計で言う場合では、見ている対象が違うことがあります。

試験室・品質確認での縮率

試験室や品質確認での縮率は、洗濯、乾燥、プレス、ドライクリーニングなどの処理後に、生地の寸法がどれくらい変化したかを見る意味で使われることがあります。

この場合は、正式には「寸法変化率」と呼ばれることが多いです。

たとえば、

・洗濯後にどれくらい縮むか  

・乾燥後にどれくらい変化するか  

・プレス後に寸法が変わるか  

・ドライクリーニング後に縮むか  

・タテ方向とヨコ方向でどれくらい差があるか  

を確認します。

試験室での縮率は、製品になった後のトラブルを防ぐために重要です。

生地の色が合っていても、洗濯後に大きく縮めば、製品寸法が合わなくなることがあります。

そのため、試験室で見る縮率は、色合わせとは別に、生地が実際に使われたときの安定性を見る数字として重要です。

染色加工・ジッガーでの縮率

染色加工では、水、熱、薬剤、張力の影響で生地が縮んだり、幅や長さが変わったりすることがあります。

ジッガーは反物を液中で処理する設備なので、染色、洗い、糊抜き、前処理などを通して、生地が水や熱、薬剤の影響を受けます。

この文脈での縮率は、ジッガーという機械だけの専門用語というより、ジッガーを含む湿潤処理や染色加工の結果として、生地がどれくらい変化するかを見る言葉です。

たとえば、

・染色後に幅が詰まった  

・洗い後に長さが縮んだ  

・糊抜き後に生地がリラックスして縮んだ  

・染色条件によって寸法変化が出た  

・後のテンターで幅を整える必要が出た  

といった場合に、縮率が関係します。

染色加工での縮率は、「色が付いたか」だけではなく、生地寸法がどれくらい動いたかを見るための重要な考え方です。

整理加工・テンターでの縮率

整理加工やテンターでは、縮率はかなり重要な言葉です。

テンターは、生地の耳をピンやクリップで保持しながら、幅を整えつつ乾燥や熱処理を行う設備です。

そのため、テンターでは、

・仕上がり幅をどうするか  

・幅方向の縮みをどう抑えるか  

・洗濯後にどれくらい縮むか  

・オーバーフィードをどう設定するか  

・熱セットで寸法をどこまで安定させるか  

といった点で縮率が関係します。

テンターは、縮率を完全になくす設備ではありません。

むしろ、生地の性質や用途に合わせて、縮み方を見ながら仕上がりを整える設備です。

たとえば、幅を出しすぎると、後で戻るように縮む場合があります。

反対に、幅を十分に整えないと、製品や後工程で寸法が合いにくくなることがあります。

そのため、テンターでの縮率は、単に「縮んだ数字」ではなく、仕上がり幅、寸法安定、風合い、後工程まで含めて見る必要があります。

シリンダー乾燥機での縮率

シリンダー乾燥機でも、縮率は関係します。

シリンダー乾燥機は、加熱された金属シリンダーに生地を接触させながら乾燥させる設備です。

テンターのように生地の耳を保持して幅を決めながら乾燥する設備ではないため、生地によっては乾燥中に幅方向の縮みが出ることがあります。

織物の場合は、緯方向、つまり生地幅方向の縮みとして見えることがあります。

また、乾燥中の熱、張力、含水率、速度によって、風合いや寸法が変わることもあります。

そのため、シリンダー乾燥機で乾燥した後に、テンターで幅を整える工程を組み合わせる場合があります。

シリンダー乾燥機での縮率は、乾燥そのものだけでなく、後の整理加工やテンター工程ともつながっています。

生機・織物設計での縮率

生機や織物設計の段階でも、縮率に関係する考え方があります。

ただし、染色加工後の縮率とは少し意味が違います。

織物では、経糸と緯糸が交差して生地になります。

そのため、糸はまっすぐな状態ではなく、織物の中で上下に曲がりながら入ります。

このとき、糸が織物の中で曲がって入ることによって生じる縮みを、織縮み率と呼ぶことがあります。

織物設計で見る縮率は、

・糸がどれくらい織り込まれるか  

・経糸と緯糸でどれくらい縮み方が違うか  

・組織や密度によって糸の入り方がどう変わるか  

・設計上の必要糸量にどう影響するか  

と関係します。

一方、染色加工や整理加工で見る縮率は、染色、洗い、乾燥、熱処理、テンター加工などの後に、生地寸法がどれくらい変化するかを見るものです。

つまり、生機段階の織縮み率と、仕上げ後の縮率は、つながってはいますが同じ意味ではありません。

シャトル織機・レピア織機など織布現場での縮率

シャトル織機やレピア織機などの織布現場でも、縮率に関係する考え方はあります。

ただし、縮率は「シャトル織機だから決まる」「レピア織機だから決まる」というものではありません。

縮率には、

・糸の種類  

・番手  

・撚り  

・組織  

・密度  

・経糸テンション  

・緯糸の入り方  

・耳の状態  

・織り上がり幅  

・生機のリラックス  

・その後の染色整理加工  

などが関係します。

織機の種類は、生地のテンションや緯糸の入り方、耳の状態などに影響することがあります。

しかし、縮率そのものは織機名だけで決まるものではありません。

織布現場で縮率を見る場合は、織機の種類だけでなく、糸、組織、密度、織り条件、後加工まで含めて見る必要があります。

縫製・製品での縮率

縫製や製品の段階でも、縮率は重要です。

生地が洗濯後に縮むと、製品寸法が変わります。

たとえば、

・服の丈が短くなる  

・身幅が狭くなる  

・袖丈が変わる  

・縫い目が歪む  

・パーツ同士の寸法差が出る  

・カーテンの丈が合わなくなる  

といった問題につながることがあります。

そのため、縫製前に生地の縮率を確認したり、必要に応じて縮みを見込んで設計したりすることがあります。

製品段階での縮率は、生地単体の問題ではなく、裁断、縫製、洗濯表示、使用環境まで関係する数字です。

ITomap的理解│初心者が誤解しやすいポイント

初心者が誤解しやすいのは、縮率を「テンターで見る数字」や「洗濯で縮む数字」だけだと思ってしまうことです。

実際には、縮率はもっと広い言葉です。

縮率は、

・生機の段階  

・織物設計  

・染色加工  

・ジッガー処理  

・シリンダー乾燥  

・テンター加工  

・試験室  

・検査  

・縫製  

・製品品質  

までつながる考え方です。

ただし、すべての工程で同じ意味として使われるわけではありません。

たとえば、テンター作業者が言う縮率は、仕上がり幅や洗濯後の寸法安定の話かもしれません。

試験室が言う縮率は、寸法変化率試験の結果かもしれません。

織物設計で言う縮率は、糸の織縮み率の話かもしれません。

現場で「縮率」と言われたときは、まず、

・どの工程の話か  

・何の前後で比べているのか  

・タテ方向かヨコ方向か  

・生地の縮みか、糸の織縮みか  

・試験結果なのか、経験的な見込みなのか  

を確認することが大切です。

ITomap的には、縮率は「縮む割合」という単語だけで覚えるのではなく、  

どの工程で、何と何を比べている数字なのかを見る用語として理解すると分かりやすいです。

現場での使われ方

現場では、縮率はさまざまな場面で使われます。

たとえば、次のような言い方があります。

・この生地は縮率が大きいです  

・タテ縮率を見ます  

・ヨコ縮率を見ます  

・洗濯後の縮率を確認します  

・テンターで縮率を安定させます  

・縮率が規格に入りません  

・試験室で縮率を出します  

・加工後の縮率が合いません  

・仕上げで縮率を見ます  

・生機から仕上げでどれくらい詰まるか見ます  

ここで注意したいのは、同じ「縮率」という言葉でも、相手がどの工程の話をしているかで意味が変わることです。

テンター担当者が言う場合は、仕上がり幅や洗濯後の寸法安定を意識していることがあります。

試験室が言う場合は、寸法変化率試験の結果を指していることがあります。

織布側が言う場合は、生機設計や織縮み率、仕上げ後の見込みを含んでいることがあります。

縫製側が言う場合は、製品になった後の洗濯縮みや寸法トラブルを意識していることがあります。

そのため、縮率という言葉は、数字だけでなく、文脈とセットで読む必要があります。

補足│縮率を見る時の基本

縮率を見るときは、数値だけを見ても十分ではありません。

最低限、次の点を確認すると分かりやすくなります。

・どの工程前後の縮率か  

・タテ方向かヨコ方向か  

・処理条件は何か  

・洗濯なのか、乾燥なのか、熱処理なのか  

・生機から仕上げまでの変化なのか  

・製品洗濯後の寸法変化なのか  

・試験方法に基づいた数値なのか  

・現場経験上の見込みなのか  

たとえば、同じ「ヨコ縮率」と言っても、シリンダー乾燥後の幅縮みなのか、テンター後の洗濯縮みなのか、製品洗濯後の寸法変化なのかで意味が変わります。

また、タテ方向とヨコ方向では縮み方が違うことがあります。

織物では、経方向と緯方向で縮率が違う場合があります。

編物では、ループ構造の影響で、織物とは異なる寸法変化を示すことがあります。

そのため、縮率は「何%」という数字だけでなく、必ず条件と方向をセットで見ることが大切です。

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記事

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用語

・寸法変化率  

・織縮み率  

整理加工  

テンター

シリンダー乾燥機  

ジッガー  

試験室  

ビーカー試験  

生機  

織物  

編物  

経糸  

緯糸   

・幅出し  

・熱セット  

・オーバーフィード  

・乾燥  

・洗濯堅牢度  

・寸法安定  

風合い  

斜行  

・反物  

・生地幅  

・仕上がり幅  

まとめ

縮率とは、生地が処理前後でどれくらい縮むかを示す割合です。

ただし、縮率はどこかひとつの部門だけの言葉ではありません。

染色加工場、試験室、整理加工、ジッガー、シリンダー乾燥機、生機、織物設計、縫製、製品品質まで関係する広い言葉です。

正式な試験や品質管理では、縮率に近い考え方として「寸法変化率」という表現が使われることがあります。

また、生機や織物設計の段階では、糸が織物の中で曲がって入ることによる「織縮み率」という考え方もあります。

つまり、縮率はひとつの意味だけで使われる言葉ではありません。

大切なのは、

・どの工程で使われている言葉か  

・何の処理前後で比べているのか  

・タテ方向かヨコ方向か  

・生地寸法の変化なのか、糸の織縮みなのか  

・試験結果なのか、現場の見込みなのか  

を確認することです。

ITomap的には、縮率を「縮む割合」とだけ覚えるのではなく、  

工程ごとに意味が変わる寸法変化の考え方として理解すると、染色加工・整理加工・織物設計のつながりが見えやすくなります。

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